おしんのブログ

妊娠してからのこと。日々の徒然。。思考の整理整頓。。

忘れない人。

21歳の時、ある人をとても好きになった。

今までの恋愛とは違った感情だった。

はじめてちゃんと人を好きになった。

 

結論から言うと、彼とはたった二カ月で終わってしまった。 

そしてもう二度と会うことはない。

けど、あれ程人を盲目的に好きになった事は無かった。

 

彼は死んでしまったわけじゃないし、

遠くにいるけれど会えない距離じゃない。

けどこの先も一生会わない。

 

彼と別れた後、私はひどく荒れた。

毎日泣いた。1人になりたくなくて家に帰らずに友達と朝まで遊んだ。

今考えると発散の仕方が若いなぁと思う(苦笑)

21歳の私はただの子供だった。(今もだけど)

けど子供なりに本当に苦しかったのだ。

沢山の予定を詰めて、彼の事は思い出さないようにした。

彼の短所だけを繰り返し思い出して、

強制的に、「あんな男別れて正解」と自分に刷り込んでいった。

それでもずっと彼のことが忘れられなかった。

本心はすぐにでも会いたかった。

 

そこから6年間、仕事の忙しさに追われる日々が続いた。

2つの仕事を掛け持ちしていたので休みがあまりなかった。

充実している反面、ゴールが見えない分気づかないうちに肉体的にも精神的にも無理をしていたし、常にどこかイライラしていた。

体調を崩しながら働く私をみて母は

そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?

と、心配していた。

そんな風に慌ただしく過ごしている間にも色んなことがあって、少しずつ大人になって

彼のことは時間とともに「もう終わったんだ」と割り切って考えられるようになった。

 

今の旦那と付き合いはじめて、結婚やこどもを考えるようになった時、2つの仕事はとても続けられないと思い1つを辞めることにした。

 

そして結婚後まもなく妊娠。

もう1つの仕事も辞め、現在お腹の赤ちゃんとゆっくり過ごす時間を満喫している。

そのおかげで、多忙にかまけて心の隅においやっていた色々なことが思い出されて、心境を整理することができている。

 

そもそも何故あんなに仕事を頑張れたのだろう

人にひどいことを言われた時、

精神的に追い込まれた時、

なんでくじけずに踏ん張れたんだろう

当時はがむしゃらで、ちゃんと考えたこともなかったけど、今になって冷静に理解できる。

 

全部彼のおかげだったのだ。

私は彼との時間や彼に言われた言葉に無自覚に救われていた。

 

ここが踏ん張りどころ、

ここが正念場、

というときに頭によぎるのは彼だった。

 

"彼は私の事をこんなことでくじける女だと思ってないはず"

とか

"彼だったらこんなとこで負けない"

とか

"あんな風に言ってくれたんだから自信持とう"

とか

それはもう都合の良いように思い出しては糧にしていた。笑

彼と出逢えていなかったら、私はここまで成長できなかった。

 

 

別れてしばらくは

どうせ駄目になってしまうなら何故出逢ったんだろうとか、

ずっと一緒にいられないなら好きでいても辛いだけ

好きになるんじゃなかった

というマイナスな感情しか持つ事ができなかった。

 

でも8年がたって、今やっと心の底から彼と出逢えて良かったと思うことができる。

別れたことも、今はもう会えないことも、

彼の事が大好きだったということも

肯定的に心地よく受け止めることができる。

 

そうやって自分の心の中を整理することができたのも、この時間をくれたお腹にいる赤ちゃんのおかげなのだ。

そして赤ちゃんを授けてくれた旦那のおかげなのだ。

 

彼の事はきっとこの先も忘れないと思う。

かたちは変わってもずっと大事な人だ。

 

忘れられない

じゃなく

大事だからこれからも忘れない。

 

 

誤解のないように書いておくと、

私はちゃんと旦那を愛している。

もし、彼と旦那が川で溺れていたら間違いなく旦那を助ける笑

好きのジャンルがもう全く違う。

それでいいんだと思う。

私はこれから、赤ちゃんと旦那という家族を守っていくのだから。

 

 

最後に余談。

彼は別れる直前に手紙をくれたことがある。

 

そこには

 

「出逢ってくれてありがとう」

 

と書いてあった。

一生忘れないと思う。

当時はこんなこと別れ際に伝えてくるなんて卑怯だと思った。

けど8年後の今改めて、その言葉をそっくりそのままお返ししたい。

 

向こうは忘れちゃってるかもしんないけどね。

それでも全然かまわんのだ。

同じ空の下で、幸せに健やかに笑っていてくれたらと思う。